トップページ>セルフメディケーション時代に求められる薬剤師像
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 ・健康食品・サプリメントに関する情報
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求められる薬剤師(その2)
くすり教育・学習指導要要領の改正
  セルフメディケーション時代、教育の場においても「くすり教育」が注目されてきました。平成17年7月、中央教育審議会の「健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会」は、審議の状況報告で、「初等、中等教育で、すべての子どもたちが身に付けているべきミニマム:保健で身に付けるべきもの」として、「医薬品の有効性や副作用を理解し、正しく医薬品を使うことができる。」を提言されました。

  平成20年3月発表の中学校学習指導要領で、保健体育:保健分野において、「健康の保持増進や疾病の予防には、保健・医療機関を有効に利用することがあること。また、医薬品は、正しく使用すること。」が加えられました。その内容は「医薬品には主作用と副作用があることを理解できるようにする。医薬品には、使用回数、使用時間、使用量などの使用法があり、正しく使用する必要があることについて理解できるようにする。」です。義務教育の中で、「くすり教育」が実施されることになりました。

  残念ながら、小学校学習指導要領には取り入れられませんでした。

  高等学校学習指導要領では、以前から「くすりの正しい使い方」が入っていましたが、今回の改正により、教育内容が1ランク上がり、「医薬品は、有効性や安全性が審査されており、販売には制限があること。疾病からの回復や悪化の防止には、医薬品を正しく使用することが有効であること。」となりました。

  中学校では平成21年からの先行実施を経て24年全面実施、高校では21年周知・徹底、22年から先行実施、25年学年進行で実施となります。社会のニーズに従って、ようやく教育の場に新しい「くすり教育」の重要性が認知され、スタートすることとなりました。
  こうした「くすり教育」には、薬剤師の参画が強く望まれています。日本学校保健会では、指導要領の改正に先立ち、医薬品の正しい使い方に関する指導方法について検討し、小・中・高校用のパンフレットを作成しHPでも公開しましが、これらは教員と薬剤師(学校薬剤師)が協同で、薬について指導する形式で構成されています。http://www.hokenkai.or.jp/iyakuhin/index.html

  薬の専門である薬剤師が参画する授業が実施されたならば、児童・生徒は薬の専門家からの正しい薬の使い方の教育を受けることができるとともに、セルフメディケーションを支援する役割を担う薬剤師の職能を理解することが出来ます。教員と薬剤師による「くすり教育」を通して、真のセルフメディケーションの基盤づくりが行われることを期待します。地域社会で積極的に健康教育、くすり教育に参画する薬剤師、そんな薬剤師が求められています。



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